平成23年 8月 6日
広島市立落合中学校
生徒代表 生徒会執行部
 終戦から66年目の夏です。「戦争」は昔の出来事のように感じますが、本当はそんなに遠い昔の話ではありません。現に、慰霊祭でお話しされた方は、あの時のすさまじい惨状をついこの前のことのように語っておられました。長年、悲しく苦しい記憶を持ち続けて生きてこられたはずです。

 しかし、今の僕たち(私たち)は、8月6日がどういう日であるか、きちんと語れるでしょうか。自分からたずねたり、調べたり、新聞を見たりして積極的に行動できているでしょうか。自分はあたまでは分かっていても行動できていません。これからは被爆地ヒロシマに住む中学生として、過去の悲惨な戦争に目をそむけず、戦争の醜さやむごさをきちんと語り継がなくてはいけないと思います。それが私たちにできる「平和」への責任だと思います。

 こうして、みんなでひとつに集まって「平和」を考える集会をすることも、行動の一つだと思います。「知らないまま」が一番こわいと思います。同じ過ちを繰り返さないためには、何がいけないことで、何が正しいのかを、みんなで勉強することだと思います。

 今年は、3月11日の東北大震災で、「日本は平和だ」と思っていた楽観的な考えがいっぺんに崩れたといえます。現実に「放射能」の恐怖にさらされる「まさか」と思うような出来事が起きてしまいました。戦争ではないけれど、原子力は私たちの身近なところにあったのです。

 では、私たち自身は、具体的に何ができるのでしょうか。生徒総会で出された各クラスの課題の中にも問題はたくさんありました。「キモイ・ウザイ・死ね」などの言葉で人を傷つける、落書きがある、ゴミの投げ捨てがある、学校のルールを破る、授業を妨害するなどの自分勝手な行動が学校の平和をおびやかしています。安心して学校生活を送れていない人が一人でもいるなら「平和」とは言えません。

 私たちは平和を「創る」活動の第一歩として、まず自分の学校から平和を築きませんか。だれにも誇れる学校にしませんか。みんなの人権が守られる「平和」な学校を目指したいです。そのための10か条を「平和アピール」として採択します。

 一つ。ダメなことはダメと注意し、嫌なことは嫌とはっきり伝える。
 二つ。ちゃんと勉強する。
 三つ。ルールを守る。
 四つ。けんかは話し合って、分かり合う。
 五つ。人に迷惑をかけない。
 六つ。自分からあいさつをする。
 七つ。暴力・暴言を許さない。
 八つ。一日一善。何か人のためになることを考え行動する。
 九つ。人の悪口を言わず、仲間はずれを作らない。
 十。 「みそあじ」を大切にする。


 この10箇条は、「自分さえよければ」という自分勝手をなくさなければ実現できません。でも、平和を作るための具体的な行動として、この十か条を実践することが近道だと思います。

 僕たちは、これからの世界が平和でありつづけるために、戦争犠牲者の尊い命を確実に引き継ぐために、平和を求める仲間の輪を広げます。この十か条を採択して「落合中平和アピール」とします。

       
広島市立落合中学校 「平和アピール」