見つめる   12月

 

これから、今月の「見つめる」を始めます。瞑目して、心を落ち着かせ、静かに聞いてください。

 

 ある日、王様が部下を引き連れ、散歩をしておりました。立派なお屋敷の前で、王さまは思わず馬を止めました。お屋敷の前に広がる、庭の美しさに目を奪われたからです。芝生は青々と茂り、まるで、庭全体に緑のじゅうたんを敷き詰めたようです。「こんなに美しい庭は見たことがない。こんな庭にするには、何か秘訣があるに違いない。その秘密を知りたいものじゃ。」と考えた王様は、すぐに、この屋敷の庭師を呼びつけた。「これ庭師、たいそう見事な庭ではないか。これほどの芝生をわしは見たことがない。どうやったらこのように立派な庭にすることができるのか、わしに教えてくれ。」すると、庭師は答えた。「芝を刈り、水をやり。」王さまは耳を疑った。「この庭師、わしを馬鹿にしておるのか?芝を刈るとか、水をやるぐらい、子供でも知っておるぞ。わしは、その秘訣を知りたいのじゃ。」そこで、再び庭師に尋ねた。「そんなことは分かっておる。わしはどうやったらこのように見事な芝を育てることができるかと聞いておるのじゃ。」すると、庭師はまた答えた。「芝を刈り、水をやり。」

 王様が、よくよく問い詰めると、その庭師はこう答えたのです。「美しい芝を育てるに、特別の秘密はありません。芝が伸びれば刈りそろえてやり、土が乾けば水をやる。雑草が生えれば抜いてやる。一日で美しい庭を作ることなどできないが、この誰でも知っている当たり前の事を3年間続ければ美しい庭になるのです。」

それを聞いて王様は、「うーん」とうなったきり、何も言うことはできませんでした。

 

どうですかこの話。当たり前のことを続けることで力になるということですが、考えてみれば、私たちの周りにも似たような話はたくさんあります。勉強がわかるようになるために、「先生の説明をよく聞く。」「わからないという人に教えてあげる。」「家で、もう一度習ったことを復習してみる。」「授業道具を出しておく。」とか、みんなと仲良くなるために、「友達の悪口を言わない。」「いじめない。」「ルールは守る。」とか、いくらでもありますよね。その中で、一つでも自分が大切だと思うことをやり続けたら、3年後には大きな花が開くということもあると思います。今、あなたは、どんな「当たり前」のことを続ければよいと思いますか?

では、これから1分間、自分にとって何が大切な「当たり前」かを考えてください。

(1分間)

1分間経ちました。配られた用紙に、今思ったこと、考えたことを書いてください。