平成22年 8月 6日

広島市立落合中学校生徒会
広島市立落合中学校  平和アピール
 ヒロシマに原爆が投下され、終戦を迎えて65年目。「戦争」と聞くだけで、遠い昔の出来事のような気がしますが、実はそんなに遠い昔の話ではないのだということを慰霊祭に参加して感じました。
 被爆の後、逃げる途中に見た骨のかたまり、死体の中を歩いて逃げたという悲惨な記憶を持つ被爆者が訴えるように語られました。
 僕たちのまわりには、あの戦争を直接体験し、悲しい記憶を持ち続け、なげき悲しんでいる方がすぐそばにいらっしゃるのだということを実感しました。

 しかし、今では二・三十代の若者の半数は、8月6日がどういう日であるかを語れないそうです。だからこそ、
ヒロシマに住む中学生として、「ヒロシマ」を知ること・語ることは「平和に責任を持つ」ことにもなるのです。

 みなさんに協力してもらったアンケートでは、身近な人から被爆体験を聞いたことが「ない」と答えた人は昨年と同じで半数近くもいました。私たちは知ろうとしていないのかもしれません。でも、知らないままでいいのでしょうか。
戦争の本当の醜さ・原爆のむごさをきちんと聞いて語り継がなければ、同じ過ちを繰り返すのではないでしょうか。

 アンケートの「世界や、日本は平和だと感じますか。」という問いも、「いいえ」と答える人が去年より増えていました。特に「この日本は平和だと感じますか」に「いいえ」と答える人はさらに増えました。その理由として、戦争ではないけれど「まさか」と思うような事件が毎日起きているが、いつのまにか「またか」と思うくらい人を傷つける事件が起こっているからというのがあって印象的でした。

 では、私たち自身はどうでしょう。「この落合中は平和だと感じていますか」の問いは残念ですが今年も約半々の回答になりました。「いいえ」と答えた理由に、「キモイ・ウザイ・死ね」などの言葉で平気で人を傷つける、落書きがある、ゴミの投げ捨てがある、学校のルールを破る、授業を妨害するなどの自分勝手な行動をあげた人が多かったです。この中の一人でも嫌な気持ちにさせられている人がいるとしたら・・・本当の「平和」とは言えません。

 
私たちは平和を「創る」活動の第一歩として、まず自分たちの学校から平和を築かなければなりません。それは、ただ楽しいだけの「平和」じゃなくて、戦争の本当の醜さを知った上での「平和」です。みんなの人権が守られる「平和」です。そのための10か条をみなさんのアンケートを元に採択します。

 
一つ。ダメなことはダメと注意し、嫌なことは嫌とはっきり伝える。
 二つ。ちゃんと勉強する。
 三つ。ルールを守る。
 四つ。ちゃんと話し合って分かり合う。
 五つ。人に迷惑をかけない。
 六つ。自分からあいさつをする。
 七つ。キモイ・ウザイ・死ねを使わない。
 八つ。一日一善。何か人のためになることを考え行動する。
 九つ。人の悪口を言わず、仲間はずれを作らない。
 十。 「みそあじ」を大切にする。

 みんなが書いてくれた内容をまとめるとこの十か条になりました。こんな小さなことからでいいのだと思います。これらは全部「自分さえよければ」という自分勝手をなくさなければ実現できません。でも、平和を作るための具体的な行動としてたくさんの仲間がこの十か条を取り上げて書いていました。この仲間の輪を広げていくことが平和への第一歩です。

 
僕たちは、これからの世界が平和でありつづけるために、戦争犠牲者の尊い命を確実に引き継ぐために、平和を求める仲間の輪を広げます。この十か条を採択して「落合中平和アピール」とします。